KISS OF LIFE
「な、何か…?」

「送ろうか?」

南野課長に送ってもらう!?

「い、いいですよ!

電車で帰りますし」

「だから、途中まで送ってあげるよ」

途中までって…。

あ、そう言えば南野課長と駅で会ったわ。

となると、同じ電車通勤?

断ったら嫌でも一緒に帰ることになっちゃうな。

って言うか、ある意味上司命令。

「わ、わかりました。

お言葉に甘えて…」

「じゃあ、行こうか」

南野課長が歩き出したので、あたしも歩いた。


とは言ったものの…。

この沈黙は何なのでしょうか?

あたしと南野課長との距離はデカい。

前を彼が歩いてて、その後ろをあたしが歩いてる。

当然、会話はなし。

ま、医務室のこともあるからなあ。

って言うか、気まずいんだったらややこしいことをしないでよ…。
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