KISS OF LIFE
「ちょっと待ってくださいよ!」

あたしと南野課長の間に金田くんが入った。

「何なんすか、あんた」

あたしを南野課長の視線から守るように金田くんは前に立った。

「昨日出会っていきなり告白するなんて、遊びのつもりですか?」

「何でそう思うんだ?」

「まだお互いを知らない時に告白するって、完ッ全に遊びじゃないですか」

少し声を荒げているのがわかる。

「そんなヤツ、相手が課長であろうと誰であろうと、渡す気は全くございません」

「それは、俺だって同じだ」

その瞬間、腕を引っ張られ、あたしは南野課長の腕の中にいた。

「どれだけ片思いをしていたかは全く知らないが、好きなヤツを渡したくないのは俺だって一緒だ」

金田くんは驚いたようにあたしたちを見ている。

「とにかく、これだけは言う」

南野課長はあたしを抱く手に力をこめると、
「彩花に手を出すな」
と、冷たい声で金田くんに言った。
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