弱者

『はぁ? 今、空いてるだろう? それにあんた、普通に立ったり歩いたり話したりできるじゃないか! 』



(よく言ったよく言ったよく言った!!! )

心の中でガッツポーズの麻美・・・・ 男の息遣い・・・


『んはぁ、んはぁ・・・・

そうゆう人間でづかぁ、わがりましたぁ・・・・んぐぅ。』


意外にもあっさりと引き上げると、また麻美の横に腰を降ろした。

そしてリュックから薄汚れたキャンパスノートを取り出すと、何やらボールペンで書き込んでいる。

物凄い早さだ。


(何を書いてんのよ、気持ち悪い・・・ あのお兄さんへの呪い? )


ようやく終点の新宿駅に着くと、麻美は急いで車両から離れた。

絡み付くような視線を感じて、気分が悪かった。




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