桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜
「桜さ〜ん」
音祢たちとともに門の前に向かおうとした私の後ろから十夜の声が聞こえた。
振り返ると、十夜の手には大きな袋があり、袋の口からは布でくるんだ細長い物が飛び出ていたのが目に入った。
なんだ、あれは?
私が訝しげに見つめていると、
「これ〜完成した服と神武です〜受け取って下さ〜い」
と言って、十夜は私に袋を差し出した。
「すまないな。」
「いえいえ〜服は移動先で着替えといてくださいね〜その格好じゃ目立つんで〜」
「分かった。」
私は十夜から袋を両手で受け取り、歩き出そうとしたら
「お待ちください。」
今度は藤姫様が私を止め、首に何かをかけてくれた。
「なんだこれは?」
「これは聖石で作った御守りです。あなたが無事にここへ帰ってこれるように…」
そして藤姫様は優しく微笑んだ。
でも、その微笑みには何ともいえない憂いの表情が入り混じっているのが見てすぐに分かった。
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