桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜






あぁ・・・そうか・・・



コイツは、何も出来ず、ただ見送るしか出来ないことが辛いんだな・・・





「桜ちゃん、そろそろ出発するわよ!!」


後ろから音祢が私を呼んでいる。


振り返ると、もうみんなは門の前の馬車に乗っていて、音祢はその馬車の仕切りになっている簾(すだれ)から顔を覗かせていた。



「・・あぁ。じゃあ行ってくる」


私は音祢に軽く返事をすると、見送りに来てくれた三人にそう言った。



「はい。」


「どうかご無事で〜」


「馬鹿弟子に何かあったら、またお伝えくだされ」


私は口々に言葉を並べる三人を一瞥した後、音祢のいる馬車へと向かった。



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