桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜





馬車の中に入ると、外見からは想像もつかないほどの広い空間が広がっていた。



豪華な装飾を施された馬車の中を私はまばたきしながら立ち尽くす。



「座って、桜ちゃん」



そんな私に音祢は隣のフカフカそうな座布団を指差して私を促すが・・




落ち着かない;



だってこんな広い空間に私たち二人だけなのだから。



でも一応音祢が勧めてくれてるので、そこに私は恐る恐る座った。



それと同時に馬車はゆっくりと蹄の音を鳴らしながら動き始めた。






「それは何?」



しばらく馬車に揺られた後、音祢が不意に私に尋ねてきた。


私は音祢の視線の先を辿ってみると、十夜からもらった袋があった。



「あぁ、これは新しい服と神武が入ってる袋なんだ。」


「あぁ、十夜が作ってた・・」



とか言いながら、自然に私の手から袋を取った音祢はその袋から勝手に服を取り出した。



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