桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜



そう言った時の深影の微笑みが、無理をして笑顔を作ってるように見えた。



ギャアアアァア!!



妖鬼の断末魔が聞こえ、深影も私もそちらを見ると、狛が妖鬼を刀で倒したところだった。



狛は刀を下ろし、その刃先から妖鬼であろう血が地に滴り落ちていく。



遠くだし、暗いからよく表情は分からないが、なんだかその立ち姿が悲しげに見えたのは気のせいだろうか。





狛によって倒された妖鬼は、最初に出会った妖鬼と同じ様に光の粒子に変わり、天に昇っていった。




「桜ちゃん!!深影!!」



狛の傍にいた音祢は私たちを見ると、すぐ血相を変えて、私たちの所まで飛んできた。



「もう、また無茶して!!重傷じゃない!!」


「だいじょうぶ、だいじょーぶ。大したことないって」


涙目になって怒る音祢に対し、苦笑いを浮かべながらそれに対応する深影




.
< 129 / 151 >

この作品をシェア

pagetop