桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜
深影は私の言葉に驚いたかのように目を見開いたが、すぐ悲しそうに眉を下げて言った。
「そんなの当たり前だろ?だって人は誰かに必要とされるために生まれてきたんだから」
深影の親指が私の目の下を拭う。
その時、私は初めて自分が涙を流してることに気づいた。
泣い……てる…?
自分の指で涙の跡をなぞってみると、確かに指が湿った感じがした
「おまえは……わたしが…ひつようか?」
「………あぁ」
深影は私に微笑みかける
その瞬間、目から涙が止めどなく溢れてきた。
「……わたしは………いきてていいんだな…」
すると、深影は静かに私の頭を引き寄せ、私の額を肩につけさせた。
「泣きたい時は泣けばいい。その時は俺がいつも傍にいるから」
そして私は、久しぶりに涙を流した。
声を押し殺して…
その間、深影は何も言わずただ私の体を抱きしめていた。
あたたかい……
人の温もりってこんなにあたたかったんだな…
私はその温もりに安心感を抱き、泣きながら眠りに堕ちていった。
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