桜華乱舞 〜蒼き月夜に永遠の誓いを〜



「・・いや、何もない。」


私は差し伸べられた手を取らず、自力で立つと、颯爽と医務室を後にした。



「ちょっ、待てよ!!」


後ろから焦ったような深影の声が聞こえる。




やっぱりアイツ・・・






「待てって!!」


止まろうとしない私の手首をガシッと掴んだ深影は自分の方へ引き寄せた。



「ったく、道も分かんねぇのに勝手に行くなよな!!ほら、俺が案内してやるから」


そう言って私の手首を掴んだまま廊下を歩き出した深影。




私は深影の揺れる藍色の髪を見つめながら思った。





あぁ・・・やっぱりコイツの笑顔は"偽り"だ。



私はそう思った瞬間、その手を振り払った。



深影はいきなりのことで驚いたように振り向くと、目を見開かせて私を見据えた。




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