私は大事なそっくりさん
やっと状況が掴めた私は、
驚いて声も出なかった。
目の前に立つ2人の転校生は、目を疑うほどの美男・美女だった。
「……ありえない」
ざわざわとしている中で、私はそう呟くことしか出来なかった。
「では、皆さんに自己紹介をお願いします」
2人は一瞬目を合わせ、男の子の方が話し始めた。
「柊 俊史 (ヒイラギ シュンジ)といいます。趣味はサッカーです。あと一年しかありませんが、皆さんと沢山の思い出を作りたいと思っています。よろしくお願いします」
拍手とため息と黄色い声が、混ざり合って溶けた。
前にいる柊君は苦笑い。
「柊 萌歌 (ヒイラギ モエカ)と言います。よろしく」
またもや、すごい音の拍手やらが響く。