私は大事なそっくりさん
柊さんは表情も変えず、ただ前を見ている。
……柊?!
まさか、双子?!
「皆さんお気づきのように、彼等は二卵性双生児。双子です」
あんまり似てないような気がするけど、二卵性双生児だからなんだ。
「では、俊史君はあちらの席に。萌歌さんはそちらの席に座って下さい」
そう言われると、二人はすぐに歩き出した。
私の席は後ろから2番目の窓側、
隣には特にパッとしない男子がいるだけ。
だからどちらかが私の隣になることはない。
よかった…
だってどちらの隣になってもどうなるかはだいたい想像がつくから。