ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
それから桐島は特に俺の元に来ることはなかった。


相変わらず来るのは、俺目当てで勉強する気もない女子生徒たち。

今日もキャーキャー言いながら帰って行った。


……ため息が出るぜ。


皆桐島みたいだったらやりやすいのに。まぁ、そうもいかねぇけど。



「相変わらず人気ですね、三神先生」


完全なイヤミだ。


声をかけて来たのは数学教師の田中康司先生。30代前半の気取ったインテリ系だ。実は栗原先生に想いを寄せていることを俺は知っている。


「いえいえ…、歳が近いから取っ付きやすいんでしょう」

穏やかに答える。コイツに構う気なんてさらさらない。


「まあ!三神先生が格好いいからですよ!」

そう笑いながら言うのは、3年生の英語を担当するもう1人の英語教師、大場幸子先生。
40代後半の気さくなおばちゃんだ。

「そうですよ♪」
と栗原先生も笑顔で頷く。

「いやいや、そんなことはないです…」

当然だろ、と思いながらも謙遜する。
大人の対応だ。


こんな感じで毎日は流れている。何とも平和だ。


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