ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
「先生…やっぱりまずくないですか?誰かに見られたら…」

学校からの帰り、車を走らせていると隣の結衣が不安そうに話し掛けてきた。

今日から毎日帰りは送ると約束した。というか、強引に決めた。これから寒くなるにつれて、日が沈むのも早くなる。そんな中一人で帰らせるのは心配でたまらない。それに、少しでも一緒にいたいし。


「心配すんなって」

大丈夫だから、と根拠のない自信で結衣に答える。

楽観的な俺と違って、結衣は心配性で慎重派だ。根が真面目だから、送ると説得するのもかなり苦労した。


納得いかなそうな表情になる結衣の気を紛らわすため、学校であまり話せなかった分あれやこれやとたくさん話しかけた。


結衣も次第に表情が柔らかくなり、笑顔で答えてくれる。
しかし、そんな幸せな時間はあっという間で…。

早くも結衣の自宅に到着した。寂しいけど、仕方がない…。母親が夜勤だったらもう少し連れ回せるのに…。教師らしからぬ考えが浮かぶ。


「先生、ありがとうございました」


停車した車の中で少しだけ話したあと、結衣はお礼を言ってドアを開けて出ようとしている。


「…結衣」

思わず呼び止めた。

ノブに手をかけたまま、はい?と振り返った結衣の腕をグイッと引く。


「また明日」

驚いて瞬きながら俺を見る結衣に微笑み、有無を言わさずその唇にキスを落とした。


恒例にしていた、また明日の握手は、今日からキスに変わった。


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