ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
「藤堂さんは、親同士が勝手に決めたこの婚約話に納得されているのですか?」

さすがにこの女だってすんなり承諾したはずはない。見た限り、我が強くて自分の気に入らないことは跳ね除けるタイプだ。


「そうですね……。正直、最初にこのお話しを聞いたときは驚きました。あまりにも唐突すぎて」

その時のことを思い出している様子で、藤堂蘭子は微笑みながら話し出した。


「当初は私もしばらく受け入れることができませんでした。お父様の話しもろくに聞かず」

「だったら…!!」

「でも、お相手があなただと聞いて、喜んでお受けすることにしましたの」


そう言ってにっこりと笑顔を浮かべているが、その表情の裏では本当に喜んでいるのかどうか分からない。眉間にシワを寄せながら、藤堂蘭子を睨み付けるように見た。


「三神さん、私はあなたが欲しいのです」


その見事な作り笑顔で吐かれたストレートすぎる言葉に、何も言い返せない。身の毛立って言葉を詰まらせている俺に、藤堂蘭子は続けて言う。


「私はあなたと結婚させて頂きます。……でも、私も鬼ではありません。結婚後、その心に決めた方との関係を続けていようとも、文句を言うつもりはありません」


お好きに遊んで頂いて結構です、と桁外れなことを言い放ち、再び箸をとって料理に手を付け始めた。


< 313 / 479 >

この作品をシェア

pagetop