ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
そんな高杉に藤堂蘭子はニコッと微笑みかけ、今度は俺に向いた。


「三神さん、ここで結構ですわ」

「あ…そうですか、では…」

「また連絡致します。……誕生日、楽しみにしておりますわ」


な…!!何言ってんだこいつは!!余計な一言を…!!

返す言葉がなく目を見開いて固まっていると、結衣の小さな声が響いた。


「…行こう、高杉君」

「あ、あぁ…そうだな」

高杉の体操服を少し引っ張りながら、結衣がこの場から去ろうとしていた。



「ちょっ…!!ちょっと待て!!」

考えるよりも先に身体が勝手に動き、気付いたら結衣の腕を掴んで引き止めていた。
高杉と藤堂蘭子がいるということも頭になかった。


「せ、せんせ…!?」

俺の行動に困惑した表情で結衣は振り向き、高杉も何事かと一緒に振り向く。


「あ…わ、悪い…何でもない…」

その2人の表情に我に返り、掴んでいた手をゆるゆると離した。本当は離したくないが、この状況はさすがにまずい…。


「先生、大丈夫ですか?顔色悪いけど…」

心配そうに声をかける高杉の横で、結衣は再び俯き俺から少し離れている。


「あ、あぁ…大丈夫だ…」

ホントは全然大丈夫じゃない。結衣が気になって仕方ない。

明らかに動揺している俺に高杉は怪訝な表情をしながらも「じゃあ」と結衣と一緒に去っていった。




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