ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
そんな俺の葛藤を知ってか知らぬか、結衣は潤んだ目でこちらを見つめてきた。

あ、あんまりそんな目で見つめないで欲しい…。動揺してしまう。

「こ、今度から、俺のことで何か気になったら、ちゃんと言えよ?」

うん、と俺を見ながら頷いたあと、結衣は少し悲しそうに微笑みながら口を開いた。


「本当はね、先生。夜は会えないって、放課後は真っ直ぐ家に帰れって言われた時、すごく寂しかったんです…、あの女の人のことも、すごく悲しかった…。強がって気にしてないって言ってたけど、ずっと不安だったんです…。でも、先生を困らせちゃいけないって……」


「ちょ…ちょっと待って、結衣」

今日は出血大サービスといった感じで、次々と嬉しい言葉を言ってくれるが、さすがに、心臓がもたない。今、顔は真っ赤になってると思う。


「あ、あまり、そんな可愛いこと言わないでくれ…、抑え…きかなくなるから…」

これから家に送り届けないといけないというのに、離せなくなる。

こんなことまで言われて、今必死で我慢をしている自分を褒め称えたいと思う。できるなら、今すぐこの場に押し倒したい。


そわそわと視線をそらす俺に、結衣が「先生…」と静かに呼んだ。



「…いいよ」

「え?」

「…今日は…ずっと先生と一緒にいたい…」

「……え゛?」

身体が固まった。

……今日は、予期せぬ事態が起こりすぎじゃないだろうか…


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