魔女と少女の願いごと
空を眺めていると、何かが飛んでいた。黒?カラス?とか思っていたら、なんだか様子が違う。
え、嘘、あれって――人?
「ええぇえッッ?!」
もしかして、私寝ぼけてる?!いやでも私今は眠くないし!見間違いじゃないよね?
黒い服を纏って箒をまたいでるあれは、間違いなく人だよね?!
驚いて凝視してると、一瞬、その女の子と目があった。
綺麗な翠色の目――
「ま、じょ……?」
「何が魔女なんだ?」
「いや、あの空を飛んでるあれ…………え?」
恐る恐る振り返ると、先生が引きつった笑顔を浮かべ立っていた。
私がぼーっと空を眺めているうちに、授業は始まっていたらしく、気付けばクラス全員の視線は私に向けられていた。