屋根ウラの天使



明日からは週末、学校は休み。

でも月曜日は学校に行かないと。


さやかのいる学校に…


とても憂鬱で、

そんな気分を紛らすために

部屋に籠って、お気に入りのマンガを読みふけった。

読んでいる間は別世界にいるみたいで

学校や友達のことを考えなくてすむから。


天使も、初めての大旅行に疲れきったのか、

週末は部屋で大人しくしていた。


天使の輪は、

また消えてしまっていて

天使はまたショックをうけ

私は、また少しほっとした。



月曜日になっても

なかなか元気が出ない。

ベッドから

起き上がる気にならない。

いつも下に降りる時間にリビングに来ないので

ママが様子を見に来た。


「かおる、どうしたの?

旅行で疲れて、

風邪でも引いちゃったのかしら」

ママは持ってきた体温計を脇に挟むように言うと


「今日は無理しないで、おうちでお休みしなさい。

ママ、学校に電話かけてから、

朝ごはんをここに持ってきてあげるわね」


と言って、梯子を下に降りていった。


天使も心配そうに

ベッドの脇にいる。


「かおるー

大丈夫かー

迷子がそんなに

ショックだったかー」


違うわ!

でも、

今日は突っ込む元気もない…


結局、熱はなくて、ママが作ってくれたおじやを食べて

ベッドで横になってボンヤリしていた。


今日、この日

私のいない教室で

あかりとさやかが何をしてるかなんて


想像すらしてなかった…



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