しあわせ音色
「「お邪魔しまーす」」

 古川書店に来るのは、もう何度目かわからなくなっていた。


 店の中の様子だってわかる。

 古川書店はヤエコさんの家の中にある。だから見た目はただの民家と変わらないのだ。

 玄関から入ってすぐ右手に第一図書館。左手に第二分図書館。


「いつもごめんね」

 ヤエコさんは、二人を第一図書館に案内しながら言った。

「いいよいいよ」

「好きでやってるんだし」

 ね、と二人は顔を合わせる。


「ホント、頼もしいわ。ありがとうね、依都姫、紗江」


 それじゃ、早速始めましょうかとヤエコさんは微笑んだ。
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