My Sweet Sweet home
部室に戻ってからの午後をあたしは平和に過ごした。



お昼を食べ終え、3講がないあたしと拓兄とだいすけ(だいすけが同じサークルだった事をあたしは今日知った)とサークルの先輩たちと人生ゲームをしたりした。



何故だかこのゲームは拓兄とだいすけは激弱で、家を買う事すら出来ず開拓地を買うはめになっていたりした。



「だいすけってほとんど部室に来ないんだね。」


だいすけがしぶしぶ開拓地を買っている最中あたしは聞いた。



「俺ほとんど学校来てねーもん。単位も足りてるし後は授業ちょっととゼミ出ればいいだけだし。」



だいすけはそう言って一呼吸おいた後ニヤリと拓兄を見た。



「拓海はゆかのために毎朝早起きで大変だね。」


「うるせーよ。てか金よこせ。無さすぎて開拓地も買えねー。」



そう言うと、拓兄はだいすけの数少ないお金を掴んだ。



「ちくしょー。パチンコではあんなでたのにな。運使い果たしちまったか。」



「おっ!そういえば今日パチンコやりに行ったら修平見たよ!」



お金を取り返しながら、だいすけが思い出したように言った。



「まぢ?お前もいたんだ。」



「あんたたちいったい3人揃って何やってんの?」



あたしは呆れてグルグルと天井を仰いだ。
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