My Sweet Sweet home
「そいえば、パチンコ屋で修平に会ったぜ。」



「は?」



拓兄の突然の申告に驚いたあたしは拓兄の方に向き直った。



「あいつも学校さぼって何やってんの?」



「いやいや、パチンコ屋にいたんだからパチンコやってたに決まってんだろ。ゆかもアホだなあ。」



「アホはあんた達でしょ。兄弟揃って授業さぼった上パチンコ…」



あたしは大袈裟に頭を抱えるふりをした。



おにぎりと焼きそば弁当を抱える拓兄。



あたしは拓兄が抱えている焼きそば弁当の上にパンを乗せながら話を続けた。



「学ラン着てたの?」



さらに拓兄の焼きそば弁当の上に抹茶オレを置く。



「いや、私服。」



「周到ね。高校生ってバレたら大変。」



レジに並ぶあたしたち。


「ばれねぇだろ。背高えし俺に似ていい男だし?」



あたしはそれを無視しながらレジの横にあるガムも拓兄の腕に中に加えた。



「おいこら無視かい。」


レジで清算を終えて、あたしたちはお決まりの部室に向かった。



最後に生協の出入り口でちらりと元カノらが見えたけど、もうあたしたちを見てはいなかった。



変わりに2人頭を寄せ合いひそひそと話をしているだけだった。



あたしも2人に背を向け拓兄と部室に向かって歩き出した。



背を向けた瞬間、彼女らがあたしをジロリと睨んだとも知らず…。


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