君を何度も~俺様☆天然~
あたしは陸と諒弥君と別れて、

青依と一緒に観客席側のスタートへ。


すると急に青依が、


『杏、ハンカチ持ってない?』

と急に言い出した。

『へ?持ってるけど……』

と水玉のハンカチを差し出すと、



『ちょっと足に怪我したから。』

と急に靴を脱いだ。


『…………!!』


『あ、普通に走れるからいいけどね。』


『な訳ないよ!!

どしたのその傷!!』

青依の足には包帯がグルグル巻きにしてあり、

そこの小さな穴から血がたっぷり。


『……さっき、行進中に誰かにスパイクで踏まれたみたい。』

『スパークで?


どうしてその時に起こしてくれなかったの?

今日は2割引きの日なのに……。』


『………スパークじゃなくてスパイクなんですけど。』

『え?ハリネズミ?』

『陸上で使う靴だっつうの!!』

『あの~……リレー初めていいですか?』

キッ!!

『様子見て察しろ!!』

『ははははい!!』

青依はキッとした猫目をあたしに向け、


『靴の下がトゲトゲなってる靴の事!!

新原が履いてるでしょ!?』

『ああ……納得。』

スパイクってそう言う事なんだね。

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