騎士戦争
(五)
オリジンの総団長たるフェンリルの姿が狼のごとく威圧感あるものならば
オーディンの大将たるビギナーの姿は悪鬼の類であった
「いやはや、相も変わらずだねぇ。君は」
馬にまたがり、遠目からオリジン軍を見守る参謀役にビギナーは話しかけた
「……久しぶりだな。終わったのか、それとも一段落ついたのか?」
帰ってきた返答に、ビギナーはまあねと続けた
「現段階、勝つのはオリジンだろうね。数は千減り、力も大幅にダウンしたオーディンに勝ち目はない。
どう?満足いく結果だろう。ミカキとの戦いがあってもやせ我慢までして来たんだ。
もう高らかに歓喜したらどうだい」
次のセリフについては返答はなかった
ただ一度こちらを見ただけで、さして気にもかかってないような態度
相も変わらずとはこのことだとビギナーは残念がった