騎士戦争
「寡黙すぎてつまらないつまらない。でもまあ、その寡黙な奴の下にある感情を掘り起こしたらさぞや楽しいのだろうね」
「何が言いたい」
ビギナーの支離滅裂さに疑問を持ち、外した視線を再度ビギナーに向けた
探るような瞳は正体が掴めぬ悪鬼を見る
楽しげな表情
まるでこれから祭りでもしようとする活気に満ちて、生き生きとした笑顔は
「知っているかい、フェンリル。絶対たる弱点がない神様でもね、嫌いなことがあるのだよ」
余計にフェンリルが訝しがることを話していた
あまりの不信さに今度は顔だけでなく、体――馬ごとビギナーと対立する
「かのオーディンもきっと嫌いだったのだろう。だからこそ、アレは天から地に降りて虐殺を始めた。
ククッ、ああ、よく分かるな。“楽しい”からねぇ。いつだって、そう――」
血に濡れた鎌が空に上げられ、その切っ先は
「神も人も、退屈が嫌いだからこそ娯楽を求め。真の娯楽を求める者は常に人とは違う神々の“遊び”を追求すべきなのだよ」