騎士戦争
(四―二)
半数の者たちが地に落ち、天に還った
まき散らされる赤と砂の世界で聞いたある答え
――騎士とは何か
いや、何よりにクロスが聞きたかったのは
失いたくないものをどうやったら持てるのか
仲間――大勢の者が大切なモノと見る男
だからこそ救い、その救いに伴う相手の命を仕方がないとした
その殺人は意味があり、ただ殺したいわけではない
国を守るため
それは仲間を救うため
「………、ああ」
男の言葉で一つ知った
俺には無理だという残酷な事実
大勢を救うような技量(おもい)など持っていない
仲間――顔も思い出せないような奴でも、オリジンの甲冑を着ているだけで男は命を張る
よほど、男は己が力量に自信があるのだろう
でなければ、自分を守りながら他人を救うなど出来もしない