騎士戦争


(四―二)


半数の者たちが地に落ち、天に還った


まき散らされる赤と砂の世界で聞いたある答え


――騎士とは何か


いや、何よりにクロスが聞きたかったのは


失いたくないものをどうやったら持てるのか


仲間――大勢の者が大切なモノと見る男


だからこそ救い、その救いに伴う相手の命を仕方がないとした


その殺人は意味があり、ただ殺したいわけではない


国を守るため

それは仲間を救うため


「………、ああ」


男の言葉で一つ知った


俺には無理だという残酷な事実


大勢を救うような技量(おもい)など持っていない


仲間――顔も思い出せないような奴でも、オリジンの甲冑を着ているだけで男は命を張る


よほど、男は己が力量に自信があるのだろう


でなければ、自分を守りながら他人を救うなど出来もしない


< 56 / 73 >

この作品をシェア

pagetop