騎士戦争
未だに心には悲しみがある
だが、だからといってどうして人生に幕閉じをしなければならない
自分は所詮、こんな存在
ただ生きているだけで意味ない器でも
「誇りなんかなくとも、地に足はつけられるんだ……!」
鼓動はあった
一際大きく高鳴った心拍に合わせ、打ちつけられていた刃を弾く
――有り得ないことだった
巨剣を弾くほどの力――通常ならばあるわけもなく、こうして弾けたのは“男側”に何かあったから
先ほどの疲れがまだ残っていたか、はたまた雨による恩恵か
足場がぬかるみにでもなったせいか、巨剣を操る男にとっては今は最悪の状況らしい
体重が増える分、重力が加わる
そも、体重とは地にかかった重力を現している
水たまりすらも出来る足場で、巨剣を操る時にかかる“踏ん張り”をどうして作ることが出来るか