騎士戦争


またこの強敵に立ち向かうきっかけ


教えられた男の答えで知ったのは、“今の自分にはこの理由しかない”ということ


強くない弱い精神の自分


ああ、だからこそだった


弱いから己だけを見ていき、刺されるのが怖いから刺す


騎士として失格たる精神の持ち主は、ここにきてある事柄を捨てた




失いたくないモノがなくとも、所詮人は呼吸が出来る




失いたくないモノがない、誇りがない、だから自分はこの男のように凛々しい人生は送れない


だが、それが何だというのだ


いくら苦しくても、虚しくても、ほら――


「あんたが俺を刺すというのならば、俺はそれを全力で拒もう!

来いっ、誇り高き騎士よ!多くの命を守るその刃で俺を切り刻む前に、俺はあんたに打ち勝ってみせる!」




生きて、いられた


叫び、死にたくないと喚くあたりが何とも醜く、実に“人間らしい”



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