姫のさがしもの。


ニコニコしながら、
窓越しに手を振る彼。



私も車内から
手を振った。




まるで恋人のような別れ方。


昨日までは
想像もしなかったよ、
こんなシーン。




長い夜が終わり、

幸せで満たされた
気持ちを胸に


タクシーに揺られながら
私は家路についた。




午前9時前の帰宅だった。
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