姫のさがしもの。


「姫夏。

宮岸さんは
きっとすごく慎重に
なってるんだよ。

相手は取引先で
お客さんだからね。

中途半端な気持ちじゃ
応えられないんじゃ
ないかなぁ…?

嫌になったら
別れればいいや!
なんて

簡単に決められる
関係じゃないし…」



優希にそう言われると
そんな気もしてくる。


彼は慎重なだけ?


でも、付き合う前から
別れた後のこと
ばっかり考えて
慎重になる彼の思考は

私には理解
できないんだよなー…




「別れたら別れた時に
考えればいいのに」


ボソッと呟いた私。




優希は、

クスッと笑って、
私のそんな独り言に



「まじめなんだよ彼。」


と、答えた。
< 420 / 544 >

この作品をシェア

pagetop