姫のさがしもの。
―結局、
ラブホテルに
すんなり
ついて来てしまった。
私って…だめだな。
一瞬、
栄太のことを
考えなかった訳じゃない。
いくら、何もしないって
彼が言ったとはいえ
完全なる浮気に
私だって少しは
躊躇したんだよ。
だけど、
私の気持ちは
そんな中途半端な
理性と罪悪感では
もう止まらなかったんだ。
もっと宮岸さんに
抱きしめられたい…
その気持ちだけが
今の私を動かしてた。
―ホテルの部屋に入るなり、
彼はベッドにドカッと
座って
両手を広げた。
「姫夏。おいで。」