姫のさがしもの。


私は小さく頷いて


彼の広げた両手に
飛び込んだ。



そのまま二人は
崩れるように


ベッドに倒れこんだ。





横たわったまま、

彼は私をギュっと
強く抱きしめる。




あぁ、

もう、どうにでも
なってしまえ。



そう思った私は
なんて弱いんだろう?



理性なんて
完全にぶっ飛んでいた。


ましてや、栄太のことなんて
もうすっかり忘れて


彼の広くて暖かい胸の中で

止まらない笑みを
こっそりと浮かべながら、

幸せを噛みしめていた。
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