姫のさがしもの。
…行きたくないなぁ〜
重い足取りで
来客用の打合せコーナーへ
向かった私。
俯きながら現れた私に
彼はニッコリと
営業スマイルを見せた。
何事も無かったように
「お世話になります!」
そう声を掛けてきた。
「…あ、どうも
お世話になります。
どうぞ、
お掛けになって下さいね。」
彼の顔を直視しないまま、
仕事モードで
言葉を返す。
「ありがとうございます!
えっと…それでは
次のCFのコンテを
お持ちしたんで
見て頂けますか?」
彼は、私の微妙な態度を
指摘することもなく
淡々と打合せを進める。
そのうち、
だんだんと私も
今朝のメールの
ことなど忘れて、
仕事の話題に
集中していく。
「…その場面は、
もう少し商品カットを
ゆっくりと流していただいて…
そう、そのあとに
モデルが一言入れる感じで
決めカットに…」
私は、いつの間にか
ちゃんと彼の目を見て
話していた。
すっかりいつも通りの
仕事の会話。
熱中し過ぎて、
1時間があっという間に
経ってしまった。
「あ、いけない!
宮岸さん!
私、10分後から
社内会議があるんで
今日はこの辺で
終わりにしていいですか?
ちょっと喉かわいちゃったんで
会議の前に
コンビニ行きたいですし」
…危ない危ない!
うっかり会議に
遅れちゃうとこだった。
コンビニに行く時間は…
まだあるよね?
「そうですか。
すみません、長々と。
では、続きは明日にしましょう。
今日の修正箇所は
明日までに直しておきますね」
打合せを終えて
パタパタと小走りで
席に戻った私。
私は、資料を片手に
コンビニに向かった。