姫のさがしもの。
18時から始まった会議は、
なかなか終わらず、
既に21時を回っている。
その間中、私は、
宮岸さんの元に
行くべきか
行かざるべきか…
ずっと悩んでいた。
チラチラと時計を
何度も確認しながら。
「じゃあ、各自、
次回の会議までに
案をまとめておくこと。
でかい展示会だからな、
かなり忙しくなるけど
みんな無理し過ぎないようにな
じゃあ、とりあえず
今日は解散!」
坂井課長がそう言ったので
ようやく解放された私。
…もう21時20分、か。
席に戻ったら
メールも確認したいし
まだやりかけの仕事も
残ってるし…
でも、
今、会社を出なきゃ
22時に大階段には
間に合わない。
行くの?
行かないの?
…私は、バタバタと
ダッシュで席に戻り、
資料を机の引き出しに
放り込んで
パソコンの電源を落とした。
メールも確認せず、
結局、作業途中の仕事も
放り出して。
「おつかれさまでした!」
私はオフィスを
駆け足で飛び出していた。
…行くの?
…行かないの?
まだ、心の中では
自問自答を続けながら
その足は川辺の大階段へと
向かっていた。