姫のさがしもの。
途中でタクシーをつかまえて
飛び乗ってから約5分。
到着するなり、
川辺の大階段を
ダッシュで駆け上がる。
暗くてよく見えないけど、
階段の一番上に座っている
男性がいる。
たぶん、宮岸さんだ。
一番上まで
のぼりつめると、
ようやく宮岸さんの顔が
はっきりと見えた。
ニッコリ優しく微笑む彼。
「ひさしぶり。
…でもないか。
さっき会ったな(笑)」
そう言って
少しはにかむ彼。
私は、彼の隣に
腰をおろした。
少しだけ、
隙間をあけて。
「なんで、離れて座るの?」
宮岸さんが聞く。
「え?離れてないよ。
ふつうだよ、ふつう!」
慌てて答える私。
宮岸さんは少し
不満そうに
「ふーん」と言って
それから、
「姫夏は、最近俺と
距離を置きたがるけど
なんで?」
と単刀直入に聞いてきた。
「え…?
距離なんて
置きたがってないよ。
ふつう!全然ふつう!
ほら!」
私は慌てて、
彼にピタッと触れるぐらい
近寄って座り直した。
宮岸さんは、
そんな私の顔を
のぞき込んで
「ふーん」
と、また
不満そうに言った。