†シークレット・ラブ†
その時
まるで空気を無理やり変えるように
ポン─‥と
軽やかな音を鳴らしながら
エレベーターが到着した─‥
「じゃぁ─‥もう行くな」
そう彼女に告げ
あたしの背中に腕を回し、そのままエレベーターの中へ─‥
扉が閉まる時
「──‥また・・・ね─…」
今にも瞳から涙が零れ落ちそうな顔で
精一杯作り笑いをしている彼女の笑顔を
ワザと見ないようにしている誠司の瞳が
目に焼き付いて
余計に2人の関係の深さを物語っていた─…。