†シークレット・ラブ†


この日の夜──…



あたし達は久しぶり振りに肌を重ねた─…


あたしを抱く手が

指が──…

唇が──…


まるで何かを貪るように

まるで何かを忘れるように

あたしの体の奥深くに入り込み


握りしめ合う指の隙間から零れ落ちそうなどうにもできない感情を誤魔化すように



「──…しょう─こ─…」とあたしの名前を何度も呼ぶ声が

あたしじゃない人の名前を呼んでいるように感じてしまったのは


あたしの─…

勘違い─…だよね─…?


誠司─…。





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