†シークレット・ラブ†
まだ鳴り響く携帯の着信音
床に転がっていた
バックから携帯を取り出した。
小さなディスプレイに
【誠司】の文字
心がギュッと
鷲掴みにされたみたいに
息苦しさと同時に
忘れかけていた
裕美さんの言葉と
すがるような瞳が
また、あたしの心を
苦しめる──…
息を深く吸い込み
ピッとボタンを押した。
「もしもし…」
『あ、祥子。
今、どこにいるんだ?』
ドキン!!
「えっ?どうして?」
心臓がバクバクと激しく動く
『いや、きょう早く仕事が終わったから
お前と一緒にデートでもしようと思って帰ってきたら
珍しく、祥子いなかったから…
何かあったのかと思って…』
初めてだった…
誠司から
こんな電話がかかってくる事が。