†シークレット・ラブ†


「雨沢さん…?」



不意に聞こえてきた懐かしい声に、あたしはゆっくりと顔を上げると…



「雨沢さん…」



「先生…」




あの日、あたしに手渡してくれた傘をさし。目を大きく見開いた、先生が立っていた。



「先生…あたし…」



震える体で、先生に手を伸ばした時…


傘が空を飛んで…優しいぬくもりがあたしを包み込んだ…。



「せん…せい…」



あたしを力強い腕の中で抱きしめる胸の中に…しがみつくように顔をうずめた。


「あたし…」


「会いたかった…」


「えっ…?」



「あなたをずっと…探していたんだ…あなたが僕の元を去ってからもずっと…」


“あなたを探していた”



彼の言葉とぬくもりが…あたしを何度も包み込んでいく…。



< 261 / 265 >

この作品をシェア

pagetop