†シークレット・ラブ†


「ねぇ、卵の混ぜ具わいって、こんな感じでいいよね?」


「いいじゃない?」


「この中に小麦粉入れるのよね?あ、小麦粉何グラムだっけ?」



卵を混ぜる音や、20人程の明るい話し声が飛び交う昼下がり


焼きたてのパウンドケーキの甘い匂いと共に、彼が少しずつ、あたし達のテーブルに近づいてきた…




「美味しそうに焼けましたね…」と、柔らかな笑顔を振りまきながら…




周りの女性達の心を確実に捕らえながら


彼が…近づいてきた…




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