少女のヴァンパイア
「少し追い込んでしまったようだな…」
規則よく寝息をたてているシュリーの髪を梳きながらグレンがいった。
「シュリー様はいったい何者なんでしょうか?」
ファイがひとりごとのように呟いた。
「本人が一番知りたいだろう。」
グレンはそう言うとファイに少し寝ると伝えた。
グレンは何日も眠っているシュリーに少しずつ栄養を与えていた。
それはグレンにとっても疲れるもので、
さすがのグレンも体力がなくなっていた。
「わかりました。
今すぐお部屋を用意させて頂きます。」
ファイが頭をさげてでて行こうとするのをグレンが止めた。
「いや。部屋を用意する必要はない。
そこの椅子で寝る。」
そういってグレンは近くにある大きなソファで寝始めた。
ファイは寝ているグレンに頭をさげて部屋をでた。
部屋を出るとそこにはラントがいた。
「どうだった?グレン様はもうあの女の血をすっていただろう。」
ラントはそういってにやりと笑った。
「グレン様は今疲れて休んでおられるから迷惑かけては駄目よ。」
ラントはその意味がわかったのか顔を歪めた。
「あの女生きてるのか?」
「あら。意外と頭いいかも知れないわね。」
ファイはラントをバカにするようにいった。
ラントは悔しそうに顔を歪めてその場をたち去った。