粉雪2-sleeping beauty-
♪~♪~♪

着信:千里



―ピッ…

「…ハイ?」


『マツ!!
DVDが再生出来ないの!!
どーなってんの?!マツんちのデッキ!!』


「…ハァ?」


イキナリ大声を出され、眉をしかめた。



「…つーか、俺んちで観なくても良いだろ。」


『てゆーか、早く帰ってきて直してよ!!』


その言葉に、ため息をついた。



「知るか!
勝手にしろ!!」


怒鳴りつけ、電話を切って携帯を放り投げた。



とにかくこの日は、千里にさえムカついてたんだ。


八つ当たりってことも気付かず、ただ怒鳴りつけた。


千里の機嫌取る余裕さえ、この時の俺にはなかったんだ。




『…社長、少しは落ち着いてくださいよ…。』


缶コーヒーを手渡しながら、真鍋は困ったように笑う。


何だかご機嫌取りでもされているような気分になり、またムカついた。



『…こんなの別に、日常茶飯事でしょ?』


「…それじゃ、困るんだよ。」


缶コーヒーのプルタブを開け流し込むと、

口の中イッパイに広がる苦味に、眉をしかめた。



「…何でこれ、微糖じゃねぇんだよ?」


『あれ?微糖派でしたっけ?』


キョトンと言う真鍋に、本日何度目かのため息をついた。


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