粉雪2-sleeping beauty-
きっと、時間にしてみれば5分とかその程度だったのだろう。


やっと、千里の家に着いた。


なのに、車がない。


見上げた部屋の窓には、明かりすらもなかった。



念の為、合鍵で部屋に入り、全てのドアを開けてみたが、やっぱり誰も居なかった。



「―――クソッ!
どこ行ったんだよ、あの馬鹿!」


煙草を咥え、千里の店に向かった。


“ダルイから、月曜は定休日♪”とか勝手に決めてるので、

今日、アイツが店に居るはずはない。


だけど、居てくれなきゃ困る。



やっぱり車を5分ほど走らせて、千里の店に着いた。


だけどやっぱり、電気さえもついていない。


こっちも合鍵で入ってみたが、案の定静まり返っていた。



「…まさか、俺んち…?」



最後に思い付くのはそれしかなくて、急いで来た道を引き返した。







「―――ッ!」


マンションの駐車場には、千里の車がある。


大きなため息をつき、その横に自分の車を止めて足早に部屋に向かった。



つーか、何で俺んちに居るんだよ?


訳わかんねぇだろ…!


安堵の次は、怒りが襲ってくる。



―ガチャ…

「―――ッ!」


勢い良く部屋のドアを開けた瞬間、目を見開いた。


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