粉雪2-sleeping beauty-
明かりもついてない真っ暗な俺の部屋。


不審に思い、電気をつけたが、そこには居るはずの人間が居なかった。



「…千里?
居ないのか…?」


声を掛けてみたが、反応はない。



「―――ッ!」


辺りを見回した瞬間、言葉を失った。


机の上には、ラップのされたたくさんの料理が並んでいる。



「…?」


不自然に置いてあるカードを手に取った。



「―――ッ!」


その瞬間、またしても言葉を失った。



“マツ、誕生日おめでとう♪
もぉオッサンなんだし、飲みすぎないでね!”



「…誕生日…?」


驚いてカレンダーに目をやると、本当に俺の誕生日の日だった。



…じゃあ、この料理って、俺のため…?


てゆーか、本人はどこだよ…?






―ガチャ…

「―――ッ!」


考えを巡らせていると、後ろからドアの開く音が聞こえ、驚いて振り返った。



『あっ、マツだぁ~!
おかえり♪』


買い物袋を下げた千里が、笑顔を向ける。



「てめぇ、“おかえり”じゃねぇだろ?!
どこ行ってたんだよ?!」


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