粉雪2-sleeping beauty-
「…お前の24の頃って、どんなだった?」


煙草に火をつけた。



『俺っすか?
まぁ、恥ずかしい話、何もしてませんでした!(笑)』


真鍋は短くなった煙草を消し、酒を流し込んで遠くを見つめた。



『パチンコで生計立ててて。
今の女の親に挨拶に行ったら、そりゃーもぉ、怒られちゃって!』


少しだけ笑い真鍋は、言葉を続けた。


『25になったばっかの頃、やっと仕事始めたんすよ。
それからまぁ、社長の会社に入ったっつーわけっす。』


「…ふ~ん。」


煙を吐き出し、真鍋から目線を外した。



『だから社長は凄いっすよ!
ママもっすけど、若いのに頑張ってて。
何があったかは知りませんけど、苦労してきたのはわかりますから!』


「―――ッ!」


『だから俺、社長に着いて行きますよ!』


その言葉に、少しだけ笑った。



「…言ってろよ、馬鹿が。
良いこと言っても、給料上げてやらねぇぞ?(笑)」


『そりゃーないっすよ~!(笑)』


そして、二人して酒を流し込んだ。



『でも、男の転機は25っすからね?』


「ア?何だ、そりゃ?」


突然の言葉に、眉をしかめた。



『男は、25で人生変わるんすよ!』


「…あっそ。」



だけど真鍋の言葉は、現実のものとなった。


25になった時、俺の人生は変わったんだ。


それは、もーちょっとだけ後の話だけど。


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