粉雪2-sleeping beauty-
「…ホラ、飯行くぞ!」
沈黙を破ったのは、俺だった。
「真鍋!
てめぇの車にルミ乗っけて着いて来い!」
『…ハイ。』
千里はまだ、俯いたままだ。
ため息をつき、千里の荷物を持ち上げて自分の車に引っ張った。
外の空気を吸い、少しだけ息苦しさから解放された。
―バタン!…
車に乗った俺の助手席に、千里も何も言わずに乗り込んだ。
ルームミラーで真鍋の車を確認し、エンジンを掛ける。
「…大丈夫か?」
『…うん…。』
声にならないほどの声で、千里は小さく返事をした。
「…俺のことなんて、心配するなよ。
お前がそんな風なのが、一番俺を心配させるんだよ…。」
『…うん、ごめん…。』
千里は窓の外を見つめた。
昼の日差しが眩しくて、俺はサングラスを掛ける。
こんな傷ついた顔、千里には見せられないからだ…。
「…悪かったよ、勝手なことして…。」
『…ありがとね、マツ…。』
そんな俺に、千里は力ない顔で笑った。
“支えあう”ってのは、
自分達が思ってるよりずっと、バランスを取るのが難しいものだったんだな。
俺は、千里を甘やかしていたんだろうか…?
それとも、余計に傷つけていたんだろうか…?
今はもぉ、何も聞くことが出来ない―――…
沈黙を破ったのは、俺だった。
「真鍋!
てめぇの車にルミ乗っけて着いて来い!」
『…ハイ。』
千里はまだ、俯いたままだ。
ため息をつき、千里の荷物を持ち上げて自分の車に引っ張った。
外の空気を吸い、少しだけ息苦しさから解放された。
―バタン!…
車に乗った俺の助手席に、千里も何も言わずに乗り込んだ。
ルームミラーで真鍋の車を確認し、エンジンを掛ける。
「…大丈夫か?」
『…うん…。』
声にならないほどの声で、千里は小さく返事をした。
「…俺のことなんて、心配するなよ。
お前がそんな風なのが、一番俺を心配させるんだよ…。」
『…うん、ごめん…。』
千里は窓の外を見つめた。
昼の日差しが眩しくて、俺はサングラスを掛ける。
こんな傷ついた顔、千里には見せられないからだ…。
「…悪かったよ、勝手なことして…。」
『…ありがとね、マツ…。』
そんな俺に、千里は力ない顔で笑った。
“支えあう”ってのは、
自分達が思ってるよりずっと、バランスを取るのが難しいものだったんだな。
俺は、千里を甘やかしていたんだろうか…?
それとも、余計に傷つけていたんだろうか…?
今はもぉ、何も聞くことが出来ない―――…