乱樹(らんじゅ)の香り
麗は、兵庫を見つめた。

兵庫も、麗を見つめ返す。

麗はふっと笑った。

「・・・よかった」

「それだけですか」

「うん」

ニッコリと、麗は笑い直した。

「あたし、ピアス忘れたままなんだけど、もらいに行っていいかな?兵庫君」

「・・・ダメ。

オレ見つけられなくて。

だから新しいのをあげたじゃん」

「自分で探すから」

兵庫は黙ってしまった。


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