電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①
私の家は、新築したばかりだった。きれいなベージュ色。窓のカーテンもベージュ一色だ。私は、親が家にいることは分かっていたから、素直に。
「ただいま。」
私はそう言った。
「おかえり。遅かったね。まさか道に迷った?」
お母さんが心配して、夕飯の支度の途中だけど来てくれた。
「大丈夫だよ。ただ、友達と話して来ただけ。」
私は、普通に答えた。
「そうだ。お父さんがもう持ってもいいだろうって。」
「何を?」
「電界電話。ほら、小学生の頃。ほら、確か入学したぱかりの時。欲しがってだだをこねてたでしょう!?」
「そういえば、そんな気が。」
ふと、頭の中に小さい記憶がよみがえった。そういえば、私はだだをこねて、親に「買って」って言った気がする。
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