電界妖怪 〜ﾏｶﾌｼｷﾞ〜 ①

ただ、素早く隠れる事だけだった。私に気付いていたのか、それとも今気付かれたのか。
「警察には電話をさせないぜ。」
男性が言った。
私はそっと見てみると、忠君がいた。男性は何かを持っている。私はなんだろうと見るが、あまりにも遠すぎて分からない。そうなのだ。男性は２５メートル以上離れた私にも気付いたのだ。別に何か物音は立てたつもりはなかったのに。どうして？
やっぱり足音？耳が相当すごいのかも。でも、よく考えてみると、すぐ近くには広い道路があって、車の通りも激しい。もし、そんなうるさい環境で私の気配に気づいたとしたら…。
すると、私の方に近づいてくる。
「お前もコイツの仲間か？」
男性が言った。
「仲間じゃないけど。ただ、一緒…クラスメイトだけど」
私は言った。もう、体が震えていた。
「だが、これを見てしまった以上オマエにも消えてもらおうか」
男性が話したあと、一歩ずつ近づいてくる。