電界妖怪 〜ﾏｶﾌｼｷﾞ〜 ①

「ねぇ、電界って一体なんなの？」
私は智美ちゃんに言った。
「電脳世界、通称電界。何者かが導入したバーチャルを、人間が暮らすために変換したのが電界って言われてる。」
「何者かが導入した？」
「うん。私もよく知らないんだけど、市役所の方々が知っているみたいなんだ。」
「つまり、隠し事？」
「多分ね。特に何者かが導入したから危険も多いみたいで、詳しく言わない事にしてるらしいの。」
私たちはそのまま真っ直ぐに行き、一番突き当たりで左に曲がった。そして車の通りが激しい道路が目の前に見えた。
「危険も多いってどんなのが？」
「数年前、交通事故で子供が引かれそうになったらしい事件があったみたい。しかもその子供が変な事を言い出してたんだって。」
「どんな？」
私は知りたくなり、智美ちゃんに言った。
「確か、【あそこに道路なんて見えなかった。】って新聞の見出しに書いていたと思う。」
「あそこに道路なんて見えなかった？一体どういうことなんだろう？」