皆川修司という男
思春期
そんなこんなんで、
修司は成長していった。
…被害妄想とともに。
修司は小学六年生になった頃、
モテだしたのだ。
修司は、
黙っていれば男前で
勉強も出来るし
運動神経だっていい。
ちょっと変なとこを覗けば、
モテる要素はたくさんあった。
そうして、
ある日、女の子に告白された。
女の子の名前は松田千代子。
お様様らしく、学校イチのかわいこちゃんと言われている。
「好きです!」
修司の目の前には、
可愛らしい女の子が顔を赤らめて自分に告白してきたのだ。
しかも、ちょっと気になっていたのだ。
嬉しくないはずがない。
だが、
また修司の頭にあの言葉がよぎった。
『疑ってかかれ!』
「……そうか。俺の財産が目当てか!」
修司は疑ってかかった…が、千代子は冷静だった。
「人をうたがうのはよくないよ。うたがうより、信じなきゃ。修司くんだって人にうたがわれたりするのは嫌でしょう?」
ごもっともな意見である。
「……信じる?」
修司はその言葉を聞いて、
目からウロコが出た。
「分かった。信じてみる。」
修司は千代子を信じてみる事にした。
そうして、
二人は付き合った。